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「わからない」、「知らない」と言える勇気が成長を加速させ成功をもたらす

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博識であることが優れた人であると思っている人が多いですが、インターネットの加速度的な普及により知識を豊富に持っていることがビジネスにおいて優位性を持てる時代ではなくなりつつあるように思います。

知識は変化スピードの早い現代においては逆に足かせになる恐れがあります。何故なら知識は過去の産物なので過去の事例が当てはまらない事象が増えている現在には「既成概念」に基づき過ぎると誤った判断になることが多くなってきているからです。

ここ数年の「爆買い」で潤っていた百貨店業界や家電量販店は爆買いが拡大継続すると予測して過去の売上実績増加を基に中国人観光客等をターゲットにした売場面積を拡大しましたが、今年は過去最高の外国人観光客数(1〜7月1401万人、前年比26.7%増)を達成しながら逆に「爆買い」は影を潜めて売上は急減しています。

逆に中国の物流倉庫の建築はここ数年爆発的増加しておりインターネット通販が加速度的に普及してきています。日本に来て爆買いして持って帰らなくても買える環境が整って来ているのです。まさに「井の中の蛙大海を知らず」の状況が再現されています。

どうしてこのようなことが繰り返し起きるのかを考えて見ると経営者や現場の責任者は過去に実績を上げた人がなっているため、意思決定権者は過去の成功体験に基づく思考性が強く専門知識も経験も豊富であるためだと思います。部下達は上層部の判断に疑問があっても「分からない」と発言する勇気がないまま見過ごしているケースが多いと思います。

過去の知識が20世紀では大いに役立っていまししたが、時代の変化スピードがITの急速な進歩により暴力的に加速して21世紀では「10年ひと昔」は死語になり「1年ひと昔」になっている気がします。科学進歩のスピードを研究しているアメリカ人科学者カーツワイル氏は21世紀の科学進歩のスピードは20世紀の1000倍早いと言っています。このようなデジタル時代の変化スピードはもはや人間の脳の許容量を超越しており「分からない」、「知らない」ことだらけのはずですが人は知識がないと他人から思われることを嫌い恐れる傾向が強いので「知ったかぶり」をする人が多いのが現実です。

人間は神経学的に予測のつかないものを避け確実なものを好むようにできているそうです。人間の脳は常に答えを求めているのでほんの僅かな不確実性でも脳内エラーを引き起こすそうです。それゆえ人間は予測出来ることに取り組み専門知識を蓄えていき安心感を得るようになります。専門性が高くなると専門外のことに興味を持たなくなります。そして知っていることを重要視して知っていることを疑ったり知らないと認めたり出来なくなります。

結果、残念なことに知識があり過ぎることが視野を狭くし進歩を妨げることになります。更にプロ、専門家として認められるようになると確信したことを手放すことが出来なくなり自分が間違っていると認めることが難しくなります。

世界は変動的(volatile)で不確実(uncertain)で複雑(complex)で曖昧(ambiguous)になってきており「VUCA(ヴーカ)」という言葉(元は軍事用語)がビジネス社会で多く使われ出しています。つまり、過去の知識や経験にしがみついていては大きな見間違いを招く恐れがある時代になってきているのです。

「分からないこと」や「知らないこと」が満ち溢れている現代においては分からないことや知らないことが恥ずかしいことであるとの認識を捨て去る勇気が必要とされています。「知らない」ということが見えない成長をもたらし、「分からない」からこそ学べるのだと考えの転換(パラダイムシフト)をしなければならない状況に来ています。

「初心忘るべからず」(何も分からなかった初めての時の気持ち=先入観がない)の言葉のとおりでベテラン、プロになっても「分からないというスタンス」を持ち続けことが現代においても非常に大切な心構えであると思います。

シェイクスピアの「お気に召すまま」のセリフで「愚者は己を賢いと思う。賢者は己が愚かであると知っている」というのがありますが現代のビジネス社会を乗り越え成功していく為には「自分は愚かである」と心底から思える素直さと謙虚さと勇気が求められていると思います。(H.IGA)

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