タイムマネジメントの普及に向けて:「仕事の仕組み」とその開発エピソード4

7.他流(2000 年~)

水戸信さんの合併作業などに協力しながら様々なビジネスデータも蓄積できた頃、当方のコンサルタント養成コースを受け、アメリカの研修会社の日本代表をしている彼からアメリカで開発されたEQのセミナーがあるので、受けてみませんか?とのお誘いがありました。
セミナーの講師になることのできるコースだったように記憶しています。
サラリーマンをやめて10年以上自分では研修をやっていましたが、研修を受けるということは全くなかったので、気分転換として受講することにしました。
しかし、途中で脱走することになってしまいました。
セミナーのコンセプトが二律背反で構成されていたので大変居心地が悪かった記憶があります。論理展開にまったく納得できない自分がいたので、紹介してくれた彼には申し訳なかったのですが、お昼休みを機に退席しました。
その日の午後は時間が空いたので、会場があった渋谷の喫茶店でゆっくりして、セミ ナーの毒気を洗い流すことにしました。
ぼーとしながら大好きなウインナー珈琲をすすっているときに「二律背反」のセミナーのキーワードが頭をぐるぐる駆け回り始めました。そして突然「両極併存」というキーワードが浮かびました。今でもその時の鳥肌が立つような感覚は残っています。
10 年間におよぶ私のタイムマネジメントの理論化の一つの終着点、もしくは新しい出発点でした。 「両極併存」のキーワードで10年間の全ての理論化の作業をくくることができる事に気付いた瞬間でした。その意味では大変貴重な他流試合だったと多います。
この日以降、無数の両極併存のセットを受講者や本読者の方々に紹介することになりました。具体的には「大事とムダ」とか「フラット型とピラミッド型」とかそれと現在も研究中の「やる気とやり方」とか、この発想のお陰で考え方を700 弱の具体的なスキ ルに落とし込むことができるようになりました。
拙いセミナーを受講して引き釣り込まれたのも、イエスかノーかの二者択一的な欧米の発想ではなく、イエスもあればノーもあるねとありのままに見る東洋的な発想を感じ ることができたからだと十数年前の出来事をまとめることも出来ました。

8.体系(~現在)

さて理論開発のドキュメンタリーはこれぐらいにして、いよいよ誰にでも、どんな仕事にもあてはまる「仕事のしくみ:原理原則」についてお話します。つまり、今までは誰も語ってこなかった「仕事の普遍性」についてお話します。
基本は二つです。
誰にでも当てはまる仕事の普遍性とは何か?と、
どんな仕事にも当て はまる仕事の普遍性とは何か?
です。
数式で表すと前者が「社長の仕事=新入社員の仕事」となりますし、後者は「コピー 取り=企画書作成」となります。どちらの等式とも現状のホワイトカラーの生産性の定 番といわれているBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)の発想では受け入れられないだろうと思います。小協会の理論と具体策はBPRに真っ向反対です。B PR的な取組みをする限り、ホワイトカラーの生産性向上は実現しないと断言します。 ただし、ものづくり現場ではBPR的な発想は効果的だとは理解しています。という訳 でものづくり現場の生産性向上も小協会の提唱する「仕事のしくみ」で説き明かすこと が出来ます。
では誰にでも当てはまる仕事の普遍性を両極併存でご説明します。

5W1Hで説明します。
1)WHO:だれが仕事をするのか?の普遍性を考えると「自分ひとりでやる仕事」 と「誰か(他人)と共同でやる仕事」の二つしかありません。前者はデスクワーク などで後者は目の前に誰かがいる会議などです。
2)WHAT:何をやるかの普遍性を考えると「事前にわかる仕事」と「突発の仕事」 の二つしかありません。
3)HOW: どのように仕事をするかの普遍性を考えると「継続的に処理する」と「単 発・企画的に処理する」のやはり二つしかありません。前者はいわゆるルーティンワークで後者がプロジェクトワークです。そしてものづくり現場のお仕事は圧倒的にルーティンワークと言えます。
4)WHY:どうして仕事をするのかの普遍性を考えると「組織を維持するための仕 事:内向き:リソーセスマネジメント」と「外部にサービス・商品を提供するための仕事:外向き:パフォーマンスマネジメント」のやはり二つです。
5)WHEN:何時仕事をするのかの普遍性を考えると「今やる」と「後でやる」の二つで全ての仕事を捕捉できます。
6)WHERE:どこで仕事をするのかの普遍性を考えると「自席でする」と「他所でする」のやはり二つにまとめることが出来ます。

以上の 6 組の両極併存で社長の仕事も新入社員の仕事も、ものづくり現場もデスク ワーク現場も語ることが出来ます。
複雑そうで多岐にわたっているように見える私たちの仕事も2の 6乗とおりの 64 種類の仕事に分類することが出来ます。
ちなみにものづくり現場は基本が「自分一人」で「事前にわかる」仕事を「継続的に」「自席」 で「お客様に提供する商品」を「今作る」ということになります。ものづくり現場 は 64種類ある仕事の中のたったの 1種類ということです。この 1種類のやり方を残 り 63種類に当てはめるから、とんでもないことになっているわけです。 最大で 64種類の仕事に分類可能ですが、通常は 2 種類か 4 種類程度で十分に業務分 析が可能です。
既に紹介したように自分一人と他人と共同の投下時間のバランスを把握するだけでもマネジメントの仕方を変えることが出来ます。 この社長の仕事も新入社員の仕事も同じだとする考え方を「仕事のOS」と呼んでいます。
「仕事のOS」の概念を全社員で共有できれば、まさしくその瞬間に情報 の共有化が実現していると思います。


タイムマネジメントの普及に向けて:「仕事の仕組み」とその開発エピソード1

タイムマネジメントの普及に向けて:「仕事の仕組み」とその開発エピソード2

タイムマネジメントの普及に向けて:「仕事の仕組み」とその開発エピソード3