最新の投稿

通勤時間の短縮がワークライフバランスを実現させる

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この15年で首都圏の不動産マーケットは激変して来ています。私は昭和57年に三井不動産販売に新卒入社して20年間新築マンション販売に携わりました。2002年に新築マンション業界で「湾岸戦争」と言われたタワーマンションの大量供給が東京湾岸エリアで始まりました。デベロッパー4社が品川駅東口エリアにタワーマンション4物件、2000戸の同時販売を行い熾烈な販売合戦が繰り広げられました。

当時は世田谷、杉並、田園都市線エリアの人気が高く品川駅東口エリアはあまり人気がなく需給バランスが悪い状況でライバルは2chまで活用して当方を攻めてきました。当方の従前地は倉庫で住宅地のイメージがわかない立地に30階建てタワーを建て眺望と通勤時間をセールスポイントにして無事早期完売が出来ました。品川駅東口徒歩12分、東京駅迄12分と丸ノ内勤務のサラリーマンに人気でした。価格は現在の2/3程度の平均坪単価210万円程度でサラリーマン価格でした。その後、芝浦、豊洲、勝どきエリアで大量供給が続き郊外居住のサラリーマンが殺到し好調な売行きが続きました。田町(芝浦)⇔東京9分、豊洲⇔東京19分、勝どき⇔東京19分とドアツードア30分をサラリーマンが実現出来た元年だったと思います。バブル期では「新幹線通勤」まで現れ、バブル崩壊後の1993年に上越新幹線下りに夕方飛び乗った時に通路が人で一杯で高崎に着くまで指定席車両に移動出来なかった異常な状況が、僅か9年で様変わりしたのです。

ここ数年の建築費の急騰で湾岸エリアの新築タワーマンションの価格は平均坪単価350万円程度にまで跳ね上がりサラリーマン価格の限界に近づいて来ていますが売行きは好調です。首都圏の働き盛り30〜40代は共働きが主流で奥様も正社員という家庭が増えて世帯年収がバブル期に比べ増加していることが売行きを支えていると思います。寿退社は随分前から死語になっています。
つまり、奥様の仕事を継続出来て、育児、家事をこなし易い通勤時間距離を確保できることがワークライフバランス実現の近道なのです。

1990年のバブル崩壊により土地神話(戸建て指向)も崩壊して27年、バブルを知らない世代が働き手の主役になりつつある現代、未来を見据えると首都圏における都心マンション居住トレンドは加速して行くと思われます。その兆しは都心30K圏以遠の戸建てマーケットの陰りに現れ出しています。通勤時間1時間超の時代は終焉を迎えつつあります。首都圏の鉄道各社も路線維持の為「通勤指定席」を発売し始めました。郊外からの「痛勤」を和らげることで郊外通勤人口の減少に歯止めをかけたい苦肉の策です。

安倍内閣の働き方改革が電通新入社員の過労自殺で加速し、サービス業界での残業時間減少の取組みがテレビニュースで頻繁に報道されています。長時間労働の要因は人手不足が最大の要因ですが働き手の慢性的不足を外国人労働者を採用することやAIの活用で解決するのは難しいのが実態です。そのような状況の中で1人当たりの残業時間を少なくして行けば国内の売上は減少せざるを得ない。自ずと企業経営者は海外市場に売上を求める戦略を重視することになります。

よって、国内労働者の生活レベルが向上してゆくシナリオを描くのは非常にハードルが高いのが現実ではないでしょうか?先進国のほとんどの国が低成長で格差が拡大し続けていて国民の不満が充満しています。しかし、不満を国や会社に訴えかけても解決するのには長い年月がかかると思います。自分の幸せは自分が出来ること=コントロール出来ることでしか勝ち取れないと思います。多くの人々の幸せは家族であると思います。家族と過ごす時間をキチンと持てる為には通勤時間を短くすることが最有効策だと思います。(H.IGA)

関連記事